骨は、常に新しくつくられ、一方では、古くなった骨は破壊され、血液中に再吸収されます。ただし、肉ならどこにでも多く含まれているのかというと、そうではありません。そして、不足するアミノ酸を代わりのアミノ酸を変換して他から調達しなければならないという負担がかかります。大動脈から抹消血管まで、全身くまなく張り巡らされた血管を、いつまでも若々しく保ちたいものです。また、真皮のコラーゲンの新陳代謝が衰えると、コラーゲンが失われる量が、新しくつくられる量を上回るようになってきます。皮膚を例にします。みずみずしい肌をつくるカギを握っているのは、皮膚の真皮に保たれている水分です。アミノ酸が並ぶときの結びつき方をペプチド結合と呼んでおり、たくさんのペ結合が集まったものが、ポリペプチド鎖になります。コラーゲンの新陳代謝が衰えると、層状の角膜の線維が崩れたり歪んだりして、角膜の働きが衰えてきて見えにくくなります。骨の一生をみますと、成人になるまでは、次第に強く太いものになっていきますが、あとはだんだんと衰えていきます。牛や豚のサーロインやヒレ肉にはほとんどコラーゲンは含まれていません。こんな状態では、コラーゲンをつくる力が弱まり、体の中のコラーゲンの新陳代謝が衰えてきます。丈夫でしなやかさを持った血管の壁をつくるのにも、コラーゲンの若々しさが欠かせません。家計をみても収入が少なく、出費が多い赤字の状態では、なにかを切り詰めなければやっていけません。真皮のコラーゲンは、お互い同士が互いに橋を架けあって結びつき、線維を張り巡らします。三本の縄のひとつ一つがポリペプチド鎖です。また、レンズの役目をしている水晶体の成分はコラーゲンを含むたんぱく質です。しかし、老化の速度に個人差があるように、骨の老化にも個人差が生まれます。大豆たんぱくなど植物性の食べ物には、コラーゲンが全く含まれていないことも知っておきたいことです。細胞をとりまく細胞マトリックスの機能が衰え、細胞が生きていく環境が悪くなってきます。食べ物を噛み切り咀嚼する大切な働きを持つ歯は、骨と同様に、カルシウムとリンからできたハイドロキシアパタイトという無機質が約七割を占めています。皮膚は、その切り詰めをシワというかたちで行います。この線維と線維のあいだに、たっぷりと水分を抱え込みます。コラーゲンの謎を解くためには、このポリペプチド鎖の謎を解かなければなりません。コラーゲンの新陳代謝が衰えると、水晶体のたんぱく質も老化して透明度が失われます。そして、白く濁ってきます。これが白内障です。まわりを見回してみても、同じ年代の人でも、腰が曲がってきたり、いつも腰痛を訴える人もいれば、姿勢が良くて元気に歩いている人もいます。細胞の集まるところにはコラーゲンが主役として登場します。とりわけ結合組織がたくさん集まっている皮膚、骨、軟骨、腱、血管の壁、歯などには、コラーゲンがたくさんあります。そして、細胞自身の新陳代謝も衰えて老化への道が加速されます。水は約一割で、残りの約二割が有機物質です。そして、そのうちの約九割がコラーゲンです。真皮のコラーゲンの赤字のシワ寄せが皮膚の細胞の萎縮をまねき、シワをつくるのです。コラーゲンが橋を架けあう性質をもっているからこそ、潤いのある肌になるのです。研究の結果わかったことは、コラーゲンのポリペプチド鎖には、グリシンというアミノ酸がとても多く、全体の三分の一を占めています。水晶体のコラーゲンを含むたんぱく質は、20代半ばを過ぎると変化しはじめるといわれています。コラーゲンの補給をこころがけないかぎり、年を重ねるとともに、鉄筋の骨組みにあたるコラーゲンの線維が老化して不自然な架橋をつくります。皮膚は、いちばん外側から表皮、真皮、皮下組織(皮下脂肪)の三つの層からなっています。弱り目にたたり目の悪循環となってしまいます。